行政組織法|諮問機関と参与機関
行政組織法の「なぜ?」を解説します
行政庁が法的に拘束される場面に違いがあるのはなぜ?
行政庁は、「諮問機関」の答申等には法的に拘束されません。
それに対し、「参与機関」の意思決定には法的に拘束されます。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
扱っている事柄が高度な専門性を有するかどうかで考えます
扱っている事柄が高度な専門性を有するかそうでないかで違いが出ます。
まず、諮問機関は、行政庁でも判断できるような事柄(財政・公共事業に関することなど)を扱っています。
行政庁はその答申等を聞いて、独自に判断することが可能です。
そのため、法的拘束力を持たせず、行政庁の意思を尊重するようにしました。
これに対し、参与機関は、高度な専門性を有する事柄を扱っています(電波監理審議会など)。
行政庁は政治のプロであっても、たとえば電波監理について深い理解があるかといえば、さすがにそれはむりです。
言い換えると、行政庁は、そのような高度な専門性の有する事柄については、独自の判断ができないのです。
そのため、専門家である参与機関の意思に法的拘束力を持たせて、その意思に行政庁を従わせることにしました。