民法 総則|復代理人の選任
民法の「なぜ?」を解説します
復代理人を選任できる場合とできない場合があるのはなぜ?
「代理人が復代理人を選任できるか」という問題について、任意代理の場合は原則としてできません(民法104条)。
これに対し、法定代理の場合は、復代理人を自由に選任できます(民法106条)。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
代理することになった経緯から考えます
まず、任意代理の場合、本人は、代理人を信頼できる人だと思って代理を頼んでいる経緯があります。
なのに、代理権が他の人に行ってしまっては、本人の信頼を裏切ることになります。
そのため、原則として復代理はできません。
ただし、本人が復代理を認めた場合や、やむを得ない場合は例外として認められます。
それに対し、法定代理の場合は、法律の規定で当然に代理人となっている経緯があります。
好んで代理人になったとは限りません。
そのため、自由に復代理ができるとされています。
実務小話
僕の事務所では、手前味噌ですが、「あなただから依頼したのです」とおっしゃってくださるご依頼者様が多いです。
任意代理の状態です。
なのに、僕が他の先生にお仕事を流してしまったら、ご依頼者様は困りますよね。
なので任意代理では原則として復代理ができない、といったイメージで考えてもらえればOKです。