民法 総則|権利能力なき社団の不動産登記

民法の「なぜ?」を解説します

権利能力なき社団名義での不動産登記ができないのはなぜ?

権利能力なき社団名義での不動産登記はできません(判例)。
なぜ、そのような判決が出たのでしょうか?

悪い目的を持っている者の脱法行為を防ぐため

権利能力なき社団は、簡単に作れてしまいます(例:町内会、同窓会、サークル)。

なのに、安易に権利能力なき社団に不動産登記を認めてしまうと、個人の税金逃れ(個人財産を権利能力なき社団名義にする等)などの悪い目的を達成する手段として使えてしまいます。

そのような脱法行為を防ぐために、判例は権利能力なき社団名義での不動産登記は認めませんでした。

ちなみに

権利能力なき社団名義での不動産登記をすべて認めないとなると不便な面も多いということで、中間法人法(平成14年4月1日施行)により、一定の要件を満たせば、中間法人として不動産登記ができるようになりました。

また、地縁による団体が市町村長の認可を受けたときも、不動産登記はできます(地方自治法260条の2 1項)。

上記に当てはまらず不動産登記ができない場合は、代表者名義または構成員全員の名義で登記することになりますが、実際は代表者名義で登記することが多いようです。

それはなぜかというと、構成員全員の名義で登記をした場合、構成員が変わるたびに登記を変更する必要性が出てきます。
これでは面倒ですし、登記手数料もその都度かかってしまいます。

そのため、代表者名義で登記したほうが都合が良いのです。

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