民法 総則|成年後見人の同意権
民法の「なぜ?」を解説します
成年後見人に同意権がないのはなぜ?
成年後見人には、保護する成年被後見人の行為に対する代理権や取消権はありますが、同意権だけはありません(同意を与えることができない)。
なぜでしょうか?
成年被後見人は 成年後見人の同意どおりに動くことが難しいから
成年被後見人は事理弁識能力が欠如しているので、成年後見人が同意を与えたとしても、その同意のとおりに動くことが期待できません。
同意のとおりに動くことが期待できないのなら、成年後見人が同意を与えるのは危険な面があります。
そのため、成年後見人には同意権がありません。
同意権は、制限行為能力者本人の判断に対して同意を与える権利なので、同意どおりに動く能力が本人に備わっていることが前提となっています。