民法 物権|抵当権の被担保債権の範囲
民法の「なぜ?」を解説します
抵当権の実行について 利息は最後の2年分に限定されているのは?
抵当権の実行による優先弁済される範囲について、利息は全額担保されず、満期(弁済期)となった最後の2年分に限定されています(民法375条)。
なぜ、このような制限があるのでしょうか?
他の債権者を取り分を確保するため
価値の高い物に抵当権を設定している場合、他の抵当権者が数人いることはよくあります。
それに加え、優先弁済権のない一般債権者が数人いることも珍しくありません。
このとき、1番抵当権者が利息全額の弁済を受けてしまうと、他の債権者の取り分がなくなってしまい、債権を回収できなくなるおそれがあります。
そのように、他の債権者を取り分を確保するために、優先弁済される範囲について、利息は最後の2年分に限定されています。
ちなみに
質権はこのような制限はありません。
質権は債権者が物を留置する形態なので、債権者が競合することが考えにくいです。
そのため、他の債権者を保護する規定も必要ないということになります。