民法 物権|留置権成立と占有改定
民法の「なぜ?」を解説します
占有改定では留置権は成立しないのはなぜ?
留置権は、他人の物を占有することが成立要件になっていますが、占有改定では留置権は成立しません。
なぜ、占有改定では留置権は成立しないのでしょうか?
留置権を成立させる意味が無いから
留置権は、留置権者が「債権を弁済するまでは物を返さないぞ」と言うことにより、債権弁済を間接的に強制させる効果があります。
占有改定は、実際には物は所有者(債務者)の手許にあり、留置権者は物を占有していない状態になるので、「物を返さないぞ」と言っても意味がありません。
この状態で留置権を成立させても、債権弁済を間接的に強制させる効果は出ないので、占有改定では留置権が成立しないことになります。