憲法 統治|宗教問題と法律上の争訟(板まんだら事件)
憲法の「なぜ?」を解説します
偽物に対する寄付について お金の返還が認められなかったはなぜ?
創価学会の会員が本尊「板曼荼羅」を安置するための正本堂建立に際して寄付をしたが、その本尊「板曼荼羅」が偽物であったとして、錯誤無効による寄付の返還を求めた事件について判例は、この会員の訴えを却下しました(板まんだら事件判決)。
結果として寄付の返還は認められなかったわけですが、なぜ、訴えが却下されたのでしょうか?
宗教上の問題を裁判所が判断するのは無理だから
この事件の場合、本尊「板曼荼羅」が本物か偽物かが最大の問題になっています。
しかし裁判所は、それが本物か偽物かといった宗教上の問題について、どちらが正しいか判断できません(終局的な解決ができない)。
裁判所は、法律上の争いでないと、判断できないということです。
そのため、この事件は法律上の争訟に当たらないとして、訴えが却下されました。