憲法 統治|衆議院の優越
憲法の「なぜ?」を解説します
衆議院の優越を認めたのはなぜ?
憲法では、参議院よりも衆議院が優越されています。
具体的には、「法律案」「予算」「条約承認」「内閣総理大臣の指名」の4つについて衆議院と参議院が異なる議決をし、両院協議会を開いても(法律案は任意で開く)意見が一致しない場合、「法律案」の場合は衆議院の3分の2以上の再可決で成立し(憲法59条2項)、その他の場合は衆議院の議決が国会の議決となります(憲法60条2項、61条、67条2項)。
衆議院のほうが民意を反映した機関と言えるから
衆議院と参議院とでは、以下の違いがあります。
- 衆議院 → 任期4年:解散制度あり
- 参議院 → 任期6年:解散制度なし
このとおり、衆議院は任期が4年と短く、また解散制度もあります。
途中で解散されて失職してしまうこともありえます。
それに対して、参議院は任期が6年と長く、解散制度もありません。
一度衆議院議員になってしまえば、6年はその地位に居続けることができます。
これを比較すると、こまめに選挙や解散をしている衆議院のほうが、そのときの民意を反映している機関であると言えます。
そのため、議決が停滞すると国政に特に悪影響を及ぼすおそれのある上記4事項については、衆議院の議決を優越させ、停滞を防ぐこととしました。