憲法 人権|職業選択の自由 と 薬局・小売市場距離制限

憲法の「なぜ?」を解説します

同業者との距離制限で結論が分かれるのはなぜ?

同業者との距離制限(同業者の近所では開業できない制限)について判例は、薬局の場合は違憲としましたが(薬事法違憲判決)、小売市場の場合は合憲としました(小売市場距離制限事件判決)。

なぜ、このように結論が分かれるのでしょうか?

制限を設けた理由に合理性があるかどうかで結論を考えるから

制限を設けた理由に合理性があるかどうかで、違憲か合憲かの結論が分かれます。

まず、薬局の距離制限規定を違憲とした判例は、制限を設けた理由に合理性がないとしました。
その理由の、「薬局が競争激化すると経営が不安定になり、そのため粗悪な薬が出回るのではないか」といったことは、他の立法や行政の取り締まりによって解消できることから、不必要な制限です。
また、この制限は内在的制約(憲法に内在している人権保護に関する制約)であるため、合理性があるかどうかを厳しい基準で考え、違憲としました。

それに対し、小売市場距離制限を合憲とした判例は、制限を設けた理由に一応の合理性はあるとしました。
その理由は、経済的弱者である小売市場の経営者たちを保護するための政策的制約(経済政策)であるため、人権保護よりは、法律で規制しても著しく不合理であるとは言えず、合憲としました。

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