憲法 人権|外国人の政治活動の制限(マクリーン事件)
憲法の「なぜ?」を解説します
外国人の政治活動に制限があるのはなぜ?
外国人の政治活動の自由について判例は、「わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動などを除き、その保障が及ぶものとする」としました(マクリーン事件)。
これは、外国人の政治活動について一定の保障はあるものの、「国の根幹に関わる政治的なことであれば制限しても良い」という意味です。
なぜ判例は、外国人の政治活動にこのような制限を認めたのでしょうか?
日本の重要問題は日本国民が決めるべきだから
「日本の重要問題は日本国民が決める」という国民主権の原理から導かれる制限があるからです。
言い換えると、「外国人の意思が、国の根幹に関わる政治的なところまで反映されると、日本が外国の意思によって動かされてしまう危険がある」ということですね。
ここでいう国民主権とは「国政の最高決定権」という意味であり、判例は「国の重要問題は国民が決める」という原理に基づいて、このような制限を認めました。
ちなみに
このマクリーン事件に関わらず、人や会社の名前が判例名になってしまうのは、ちょっとかわいそうな気がします。